舞踏・BUTOHの創始者土方巽を唯一継承、舞踏芸術の発展をめざし、実践する舞踏カンパニー「友恵しづねと白桃房」のウェブサイトです。
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私達舞踏カンパニーの主宰者の友恵先生は10代の学生の頃、小田急線の下北沢のブルース喫茶で行われていたブルース・ハープ(10穴ハーモニカ、各キーに合わせて12種類ある)教室に通っていたそうです。 ブルース・ハープの先生は妹尾隆一郎というその業界のトップの方だそうです。 その方が総武線、西荻窪の私達の稽古場から歩いて数分のところにある楽器店でブルース・ハープ教室を開いているとのことで、私達メンバーは全員習いに行くことになりました。 舞踏という踊りは音楽家とのコラボレーションも楽しめます。私達も今までに100人以上の演奏家と共演してきました。 コラボレーションでの踊りと演奏家との関係は理屈では説明し切れない感覚的な要素が大事になってきます。 演奏家との関係をより深く、またセンシティブなアンサンブルを引き出すために、友恵先生は「踊り手も音楽家になっちゃった方が、共演者の気持ちが理解できるよ」とのことで、私達も今までにボーカルとかキーボード、ドラムにチャレンジしてきましたが、なかなか巧くいきません。 「今回はイケるぞ」と、友恵先生は言います。 「人と同じくらい巧くなりたければ、そいつの倍練習しろ。そいつより巧くなりたければ3倍練習しろ」と妹尾氏は下北沢の教室で生徒達に言ったといいます。 「妹尾先生は1日何時間練習していたんですか?」と友恵先生が訊くと、妹尾氏は「1日8時間、いや朝から晩まで」と応えられたそうです。 また、ある時の稽古では10人ほどいた生徒達に「お前ら、本気で腹殴られたことないやろ。息が出来なくなるんや。・・・これが演奏に関係してくるんだ」と言われたこともあり、生徒達は皆ビビッていたそうです。 下北沢の喫茶店が開店すると「質問がある人は外で」ということで、近くの神社の境内でレッスンします。友恵先生は覚えたばかりの技術を聴いてもらいますが、妹尾氏は「あー、できてるよ」と言った後、「俺と皆(生徒)の音色、違うやろ」と言います。友恵先生は「同レーズ吹いても本当に全く違うんだよ。生徒達の音は重いしベッタリしてるけど、彼のは芯があるけど抜けがある」。「当時、私は毎日30分は練習してたけど、もう唇はビロビロ。8時間の練習なん信じられない」と、友恵先生は言います。 友恵先生に散々脅されながら私達は「妹尾隆一郎ブルース・ハープ教室」にいきました。 ところが妹尾氏は友恵先生の言っていたイメージとは全く違いました。 妹尾氏は大変真摯な方で、彼による講習CDもハーモニカ用の譜面もあり、私達のようなブルース音楽など知らない者にも分かり易く、皆楽しくてしかたありませんでした。 「何を習うかじゃなく、誰から習うかが大事なんだよ」と、友恵先生は言います。 「アメリカの黒人ブルースはジャズ、ロック、R&Bから今日のJポップにも繋がる西洋音楽の一つのルーツで、元々ダンス音楽なの。踊りとの相性はバッチリ、楽しくて当たり前。難しい音楽じゃないんだよ。ブルースはマイナーだけど日本で舞踏にスポットが当たり始めたのと同じ時期にモードになったね。日本神話に出演する芸能の神様、アマテラスオオミカミを隠れたアマノイワトから引っぱり出すために踊ったアメノウズメノミコトの踊りも宴会芸だからね、楽しくなくちゃ」。
Blues Harp from TOMOE SHIZUNE & HAKUTOBO on Vimeo.
・X JAPAN hide(2005年9月25日hide MUSEUM閉館に寄せて) 文:友惠しづね