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プロフィール PROFILE
友惠しづねと白桃房
TOMOE SHIZUNE & HAKUTOBO |
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1987年結成。1988年利賀フェスティバル招待作品「糸宇夢(しうむ)」評では「わたしは、すっかりみちたりてしまった。……作品としては、まことに骨格の明瞭な、しっかりした構造のものになっていた。そして舞踏手たちは、驚くべき熟達をとげていた」(長谷川六『新劇』)と高い評価を得る。
翌1989年利賀フェスティバルで上演された「皮膚宇宙のマグダラ」(改題 一本の木の物語)は、「この舞踏は二本の樹の姿に託して、生成、死、そして再生という生きとし生けるものの生命の時間が描かれる。……生命を燃やしていく生きもの達の姿が感動を呼ぶ心優しき舞踏である。……現在友惠しづねを中心に創作に打ち込む『白桃房』の舞踏の中に、土方舞踏を継承しつつも、新しくより普遍性を持った形で発表し始めた舞踏の可能性を見る思いがする。」(立木Y子『シアターアーツ』)と評され、その革新性が賞賛される。
1990年松本現代演劇祭公演「遙蓮」評では「舞台から立ち昇った、あの懐かしい感じは一体なんだろう。……アイデンティティーの零点といってもいい……現代表現の特徴はオリジナリティの喪失である、というレベルを遥かに超えて、それは独創性と正当性を主張していた」と激賞される。
1994年ニューヨーク、ジョイス・シアター公演では、ニューヨーク・タイムズ紙に「ビヨンド・ブトー、従来の舞踏のカテゴリーを越えながらその根源を伝えるもの」として高い評価を得る。また、ヴィレッジ・ヴォイス誌では、「私は舞踏の鮮烈さは、外国の、もしくは『他者』でありながら、且つ『普遍的』であるという事実からきている、と理解するようになった。」と、それまでの海外での舞踏観の枠組みを根底から覆す評価を得る。
アデレード・フェスティバル('94)、エジンバラ国際フェスティバル('96)、ビエンナーレ・ミュージック・エン・シーン('02、フランス在住のジャズ・グループ「想像的民族音楽探求協会/ARFI」とのリヨン―東京を映像で結んだ遠隔地2会場でのマルチメディア公演)など国内外の数多くのフェスティバルに招聘参加。
ジャズ、クラシック、邦楽、コンテンポラリーなど音楽家の他、写真家・伊奈英次(写真展『燦光』)、荒木経惟(『写真時代』誌)、現代美術家・小林健二、韓国の現代美術家、映像作家・陸根丙(ユック・クンビュン)など国内外を問わず多種ジャンルの多アーティスト達とコラボレーションを行っている。日本を代表するロックミュージシャンhide(X JAPAN)のドーム公演には彼のソロ・デビュー時より晩年まで客演する。
また、ボランティア活動として老人福祉施設、聾学校、福祉作業所、小学校等での公演や講習会も行い続けている。
2009年日本顔学会誌に「舞踏の顔」を寄稿。フォーラム顔学2016年(東京藝術大学)に作品「舞踏の顔」を出典。
2010年情報コミュニケーション学会誌に「身体コミュニケーション最前線」を寄稿、同学会で「究極の身体コミュニケーションを体感する」を講演。
2016年 欧州文化首都ポーランド・ヴロツワフで身体表現の研究プログラム「BodyCostitution」に招聘参加。また、日本の伝統音楽・雅楽との共演(オランダ)や韓国の歌謡曲・伝統舞踊との共演(韓国)を行うなど多彩なコラボレーションを展開している。2017年には、朗読、雅楽、舞踏によるコラボレーション作品「季譚」の制作や公演、キプロスでのルーフトップシアターグループと共催による舞踏ワークショップ及び公演などを実施し、プロジェクトが継続的に育まれている。2021年、現代音楽のヴァンデルヴァイザー楽派主催「KLANGRAUM」(ドイツ)にてエバ・マリア・ホーベン(ピアノ)とカガヤサナエ(舞踏)のコラボレーション作品を上演、新作を展開し続けている。
2017年DVD「蓮遥抄」発表。2020年DVD「奇蹟の身体舞台アート・友惠しづねの世界 一本の木の物語 」と「からだ 生き物たちの心根 友惠しづねと白桃房 音楽と舞踏 」を同時発表。 |
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友惠しづね
TOMOE SHIZUNE |
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舞踏家。振付家。演出家。アート・ディレクター。ギタリスト。作曲家。舞踏カンパニー「友惠しづねと白桃房」主宰。
音楽家としての活動は1972年より開始され、作曲家として数々の秀作を残す。
「あらゆるジャンルを通過して、メロディアスなものの追求から一転して破壊に至るまでの全方位的なレンジの広がりを有し、制度化されたスタイルを超え変化し続けるという稀に見る行為者」(ジャズ批評誌)
「その演奏には音楽に対する切実で根源的な問いかけが内包されている。具体的には音楽によって何が可能か?を果敢に試みている。音の領域を拡大しようという衝動が破綻を臭わせつつ拮抗して、静謐なるカオスを生み出している。テクニックには目を見張る」(ラティーナ誌)。
「彼が演奏家として以上に、音楽全般に対する構成力に優れた才能を発揮する人だと感じた。……構成力の巧みさは、より強いアピールを持って聴き手に訴えかけてくる。クラシックギター的アルペジオや、邦楽にも通じる音階が多用され、彼を独自のギタリストとして位置付けている。それにしてもスピード感溢れる彼のギターは鮮烈だ」(スイングジャーナル誌、小川隆夫)。クラシック、ジャズから民俗音楽まで幅広い音楽ジャンルから絶賛される。
1984年土方巽に師事。創始者土方巽の舞踏を唯一継承しつつも、これを多彩な、そして膨大な公演活動のなかでの緻密で飽くなき検証作業により、根本から創造し直し発展させ続けることで舞踏技能唯一の集大成「友惠舞踏メソッド」を確立する。「友惠しづねは舞踏が何であるかを示す北極星」(舞踏家・大野慶人)と称され、書画「舞路・人、土方巽・大野一雄・友惠しづね」を寄贈される。
1989年舞踏と音楽家とのコラボ・シリーズ公演「風に寄りそう女」が第一回池袋演劇祭グランプリ受賞。1990年〜1995年フランス国立オペラ・ド・リヨン「マダム・バタフライ」振付。1991年NHKオペラ「魔笛」舞踏振付。2007年友惠しづね演出による台湾伝統劇団「江之翠劇場」の作品「朱文走鬼」は台新芸術賞パフォーミングアーツ部門大賞受賞。2010年同作品はFESTIVAL DE L'IMAGINAIRE(フランス国立パリ・オペラ・バスティーユ)に招聘され絶賛を博す。2020年には台湾伝統戯曲藝術フェスティバルで上演(COVID-19感染拡大の影響でオンライン上映)。
2012年韓国の現代美術家ユック・クンビュンとのコラボによりアート・ミュージックDVD「眠りへの風景」を発表。
「友恵はユック・クンビュンとの会話で"一念三千"について言及しているが、彼らがその時に醸し出したサウンドこそ、その世界を瞬間に収めたのではないかというぐらい、短いが強い意味を残す映像だ」(韓国/jazz people誌)。
「韓国の伝説的なパッカーション演奏者金大煥(キムデファン)、日本フリージャズ系の草分けと呼ばれるベーシスト吉沢元治が友惠しづねと一緒に演奏、韓日芸術家の出会いの場になったのである。即興演奏で構成されたこの日の公演で三人は迫真感溢れるアンサンブルを生み出した」(韓国/TOP Class誌)。
「友恵による即興的な演奏と韓国の風光明媚なる景色が相まり、ビビットで芸術的な世界を表現。そのインパクトは絶大だ」(アコースティックギターマガジン誌)。
「芸術で最も必要な要素である人間性の衝突と調和を具現した『眠りへの風景』は緊迫する舞踏と即興演奏を通じて、観客はもちろん演奏者達にも存在に対する真理を問う」(韓国/INCUBATOR誌)。
2018年雅楽CD「蓮葉の玉」(作曲・友恵しづね、演奏・雅楽トリオ「千歳(ちとせ)」)を発表。「永遠とはこんな瞬間の中に存在するのだろうかとさえ考えてしまった……その自由で何ものにもとらわれない発想の根源を、音楽と舞踏の中に発見して欲しいものだ」(詩誌孔雀船、桜町耀) 。
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COVID-19で奮闘する方、自宅待機する方々への応援として |
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2020年5月14日(木) 配信スタート
オンライン無料配信期間:5月14日(木)〜6月30日(火)
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