舞踏・BUTOHの創始者土方巽を唯一継承、舞踏芸術の発展をめざし、実践する舞踏カンパニー「友惠しづねと白桃房」のウェブサイトです。


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2023年10月23日

品川区立第四日野小学校
職業紹介授業「しながわドリームジョブ」にて
友惠しづねと白桃房の加賀谷早苗がダンサーの仕事紹介

レポート:加賀谷早苗
 

 2023年10月21日土曜日、秋晴れのなか、品川区立第四日野小学校のフレッシュな新校舎にて職業紹介授業「しながわドリームジョブ」が開催され、6年生の生徒さんに向け、友惠しづねと白桃房加賀谷早苗がゲストティーチャーとして舞踏を通じての活動から「ダンサー」の仕事を紹介いたしました。

(品川区立第四日野小学校の新校舎にて。ゲストティーチャー・加賀谷早苗の職業紹介授業)

 
 この「職業紹介授業」とは、小中学校の特別活動のひとつとして近年行われている授業で、様々な職業の講師のお話しを直接伺うことを通して、多様な職業に興味を持ち、お子さんたちが自らの将来について、前向きに考え始めるきっかけとして実施されています。昨今、将来に希望を見いだせず、自己肯定感を持てずにいるお子さんもおられるとのこと、社会の様々な職業を知ることで自分を活かすことができる仕事があると希望を持ってほしいとの願いから発された授業とのことです。
 本年は、オリンピアン・女子ホッケー日本代表選手として活躍された方や、イラストレーター、企業の人材育成、しながわ水族館の飼育員、看護師、ゲーム制作、司書、元・中学校教諭の方、そしてダンサーの私、10名のゲストティーチャーが招聘され、その職業が紹介されました。
 
(全体会でゲストティーチャーの皆さんと生徒さんが集合。校長先生のお話しを聞きます)
 
 ゲストティーチャーは各教室に分かれ、生徒さんは、5名程のグループとなって、3つの職業を選び、仕事の内容や目指したけきっかけ、仕事のやりがいなどについてお話を聞きました。
 私、加賀谷早苗の担当する教室では、ダンサーを夢見る生徒さんや職業のひとつとしてダンサーの仕事について聴きに来てくださった生徒さんたちに、古から日本に伝わる舞踊のこと、また、日本各地に伝わる唄や踊りが仕事を励ますものでもあったお話しから、その日本で生まれ世界に広まった新しいダンス、舞踏:Butoh、そのダンサーとなる思いがけない人生の道筋をご紹介しました。また、師匠の友惠しづねの導きにより、X JAPANカウントダウンコンサートhideさんのソロコーナー出演でデビューすることとなった東京ドームやエディンバラ国際フェスティバル等でのオペラハウスといった大きな劇場での舞台から、日本の学校や福祉施設をはじめアフガニスタンのストリートワーキングチルドレンセンターや、ベトナムの聾学校(聴覚の障がいがあるために仕事に就けなかった子供の「働きたい」との願いで創られた)など、その校庭や教室での交流、さらに、多岐に渡るコラボレーションや先駆的に始めたインターネット等を活用したテレプレゼンスシリーズによる遠隔プロジェクト、舞踏の遠隔授業、オンラインレッスンなど、初めての海外公演での失敗談なども交えながら世界に広がる活動について紹介し、その職場、仕事の内容に触れて頂きました。
 
(生徒さんは話しを聞きながら熱心にタブレットにメモ)
 
 生徒さんからは、「一番大変だったことは何ですか?」「海外で危なかったことはありますか?」「からだはどれくらいやわらかいですか?」などのご質問を頂き、稽古の苦難や自分自身の励まし方、海外に行った際の衝撃の体験、からだのやわらかさ以上にイマジネーションによって表現を広げることができる舞踏の面白さなどをお話しいたしました。

 これから人生を歩むお子さんたちの岐路で微力ながら心の支えとなる“生涯の応援旗”となれますようにと願い取り組ませて頂きました。 ひとりひとりの人生の花を咲かせてくださるよう切に願っております。
 
当日は各教室を奔走された コーディネーターの清水陽子さん(左)と。

 この度は、校長先生、副校長先生、6年担任の先生方、学校地域コーディネーターの清水陽子さんのご尽力によりお世話になりました。お子さんに向けてお話をまとめるなかで、ダンサーとして歩ませて頂いたこれまでの人生を振り返り、とても踊れるとは思っていなかったところを育て舞台に立たせて頂いて、世界で実にさまざまな交流をさせて頂きました不思議な人生を“宝物”と感じ、感慨深く思いました。このような機会を頂き、この度の職業紹介授業「しながわドリームジョブ」のコーディネートに感謝で一杯でございます。

 
 品川区立第四日野小学校は、東急目黒線「不動前駅」が最寄りで、師匠・友惠しづねの生まれ育たれた地の実にお近く、友惠も「面白いね。知ってるよ」と、地元でお馴染みの学校でした。また、ドイツ・トリアーでの現代音楽アート国際フェスティバル「OPENING 23」に遥々お越し下さったウィーン在住のアーティスト・ウエバヒロコさん(現代音楽のライブの音をスケッチし繊細な感性が息づく絵画作品を生み出されている)からのご縁でお招き頂くこととなりました。なんだか不思議なめぐり合わせによりお呼び頂いた感がいたしております。お招きをありがとうございました。
 
(職業紹介授業「しながわドリームジョブ」ゲストティーチャーの皆さんと)
 

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