学校訪問シリーズ Vol.8にあたる台北市立啓聰学校では、生徒たちが小さな種が大きな樹に成長していく様子を、体全体を使って表現した。イメージで体を動かすことができるという新しい体験を、生徒たちの体はごく自然に受け入れられたようで「体が気持ちよかった」
「楽しかった」と元気よく語っていた。
上演した舞踏作品「蓮遙」は、空から落ちてきた鬼の子どもとお地蔵さんの物語。コミカルなお地蔵さんの踊りに、小学生の生徒たちもクスクスと笑いながら楽しんでいた。今回は、友惠しづねと白桃房と、日本で私たちの舞踏特別研修を受講した南管オペラ・江之翠劇場のメンバー、温明儀(ミンイ)と林雅嵐(ヤラン)が出演。
ワークショップの最終日には、受講生のグループ発表。友惠しづね作品「糸宇夢(しうむ)」から3シーンを抜粋、20分程踊った。受講生はそれぞれが振り付けを覚えるだけでも必死だ。だが、振り付けを忠実に踊ったとしても足りないものがあるということも、受講中に何回も指摘されていて知っている。
毎日5時間半、10日間の講習会、その集大成としてのグループ発表を終えての感想では、「メンバー全員で1つの空間を作りだしているという感覚が感じられた気がして、新鮮な感動を覚えた」「音を体で捉えられた気がした」など。
受講生たちは、今回のワークショップで学んだ舞踏における体のあり方を、20分間の作品の中で真剣に探っていた。
文:天乃うずみ