Q、友惠しづねと白桃房の公演をご覧になられていかがでしたか?
磯崎新氏: とってもとっても素晴らしかった。
この部屋のイメージがどういうふうに伝えられるかという時に、一番最初に別 の世界にいる魂みたいなものとかですね、ず〜と石にやどって、影にやどって、舞台の意匠の樹にうつって、それが演者にうつって、演者にうつったのがはじめて観客に伝わるというそういう構造になっているんですよ。それが、日本語でいうと「霊(ひ)」になるわけね。いわゆる「魂」みたいなもの。昔は「神」といったのかもしれないですけど。そういう無形のものが、我々の宇宙にこいたというのを日本の古代っていうものはみんな考えていた。それが、芸術やってるのは芸術そのものだった。舞というふうなものも全部そういうふうに、地面
を踏んでいるわけではなくて舞っているわけですよね。ですから、おそらく今ここで演じられたのも舞の続きなんだと。僕は非常に今のコンセプトを連想するんですよね。それを実際にやっていただいたという感じがしますから、それはほんとにぴったりとして、これでこの展覧会のこの部屋つくった甲斐があったという感じですよ。
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