2009年2月24日、中国・浙江省杭州市にある杭州老年大学を訪問し、現地の方々と交流をした。
杭州老年大学は1985年に創立、中国政府の予算で運営される定年退職が入学条件の生涯学習カルチャーセンターである。定年後も心身ともに豊かに楽しく生活できるよう、知識習得や健康促進のために提供された場であり、さらに習得したことを社会に還元することを主旨としている。
専攻分野は、書画、文学・歴史、保健、技能、芸術と5分野に分かれ、科目にして30数科目あり、細分化すると80数クラスに分かれる。学費は半年間1科目で60元(現在レートで約900円)と政府の運営のため、抑えられている。
科目の課程が終了すれば卒業となるが、特に在学制限期間は設けられていない。先着申込順でまた別の科目に入学ができるが、入学希望者も大変多いそうである。
生徒の中には98歳の方もおられる。中には親子同士で在学しているケースもあるとのこと。
現在中国では、このような老年大学が全土で2万校以上あり、約300万人の方が学んでいる。
校内の教室やホールの視察後、芸術専攻クラスの方々が民族楽器演奏や歌唱を披露してくださった。
また、私も芸術クラスの指導をしておられる2人の音楽家の方々と踊りで共演させていただいた。杭州市下城区少数民族芸術団芸術監督でもある、厳夏畏氏は、葫芦絲(フルス) という2000年以上の歴史がある雲南少数民族楽器の笛を吹かれ、ピアノを高遠征氏が弾いてくださった。
彼らの音楽は、やわらかな風のように私のからだを通りぬけていき、広大な景色をわたっていくようにも感じられた。
|